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《アイアン・ゴーレム》 基本情報 ② アイアン・ゴーレム 無属性/ゴールド 基礎パワー:8000(Lv1) インヴォークスキル・(なし) エヴォークスキル・カードを1枚引く。 特徴 魔術で動く機械人形。 エヴォークスキルで山札から1枚ドローできる。 ▶︎シンプルで強い「カードを引く能力」 「手札が増える=より多くの状況に対応できるようになる」という意味で、このカードの効果は単純だが強力である。どんなに強いカードでも、それが手札から使える状態でなければ、そのカードパワーはゼロに等しい。 「あるカードを使いたい時に、そのカードが手札にある」という確率を上げるのが、いわゆる「カードを引くカード」の役割だ。 ▶︎意外と高い基礎パワー 基礎パワーもLv.1で8000と比較的高い。エヴォークする組み合わせによっては、先制判定にも意外と勝ちやすい数値。 ただしレアリティはゴールドなので、覚醒して基礎パワーを上げるには、かなりの運と多少の手間がかかる。 関連カード ▶︎無属性でドロー能力を持ったカード。 《アイアン・ゴーレム》 《ホワイトホーク》 《キャプテン・アンサー》 《カイム》 《しよ子》 その他 ▶︎フレーバーテキスト 数秘によって生み出された魔術機械。それがゴーレムってヤツだ。面倒な制限が多少あるが、コイツを使えるようになって損はないぞ。 ▶︎イラスト:yashoo 【→カード一覧へ戻る】 【→トップページへ戻る】
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メタナイツ メタナイツとは、「星のカービィ」の登場キャラクターである。 初出は「星のカービィ 夢の泉の物語」、メタナイトの部下のような存在で、一定の箇所に複数体出現し、カービィに襲ってくることがある。 ず枠では、主に星のカービィSDXのモード「メタナイトの逆襲」で出現・・・するはずだが、中ボススキップ技で飛ばされたり、登場直後にプラズマの波動弾で一掃されたりするため何故かほとんど出てこない。一応「銀河に願いを」モードでも「アクアリス」面にて出現する。こちらでは、扉から出てくるカービィを出待ちするという、騎士の部下としてはあるまじき行為を働いてくる。 「覚悟を決めたメタナイツ」と呼ばれるメタナイツも存在するとの噂「メタナイトの逆襲」終盤の会話において、追い詰められたメタナイトに最期まで付き従おうとするメタナイツが確認される。 どうやらこの会話に出てくるメタナイツが「覚悟を決めたメタナイツ」のようだが、やっぱり登場直後にプラズマの波動弾で一掃されるため会話以外では一切画面に映らない。 ぷーれも「メタナイト戦前に覚悟を決めたメタナイツが立ちはだかるのでは?」と、毎回メタ逆終盤ではプラズマの波動弾で一掃しながら警戒しているのだが、一切出現せず拍子抜け、そのままメタナイト戦の茶番に突入するという茶番を毎回行っている。
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極ナイツ 概要 蒼天メインクエラスボスのナイツオブラウンドの高難度版 極という位置づけだが、他の極蛮神より一回り二回りぐらい上の難度で、アレキ零式1、2層と3層の中間程度の難度とされる 報酬はIL205のヘヴンス武器と10個集めてキャンペーンに応募できる蒼天の甲冑片 複数禁書武器交換して防具後回しにしてたアホおるかー?^^ 攻略 実装一カ月近くたって需要あるかどうかしらんけど書く 占星はトイレじゃありませんとか言っちゃう人や知性の欠片もないミンチさん並の頭脳のヴぃっぺrは太字だけ読めばいいと思うよ お決まり とりあえず最初に特定の攻撃に対する散開位置を決めておく 位置かぶったらAUTO的な攻撃はもはや恒例だがナイツはそれが特に顕著なので決めておくとスムーズ ただし、「百雷」だけはこれの例外でアドリブで避けてることが多い +散開位置マクロ例 MT ST 近1 近2 . 遠1 遠2 H1 H2 トールダンがいない時はマップの方角基準、いる時はトールダンの向きを基準にする。 ここからはフェーズ毎に敵の技と簡単な流れを書いていくよ 長いからたたむ グリパなら散開位置とフェーズ8の動きだけ決めておけばどうにでもなるんじゃないかな フェーズ1(トールダン) +敵の技 [トールダン] アスカロンマイト 定期的に撃ってくるそこそこ痛い前方範囲攻撃 巻き込まれる奴は童貞 メテオレイン よけろ。なぜか1回こっきりしか使わない 百雷 重なったらやばいあれ アスカロンメルシー 詠唱あり前方範囲攻撃。予兆の隙間に入って避けられる 竜の眼 自身に竜の眼バフをスタック。効果は永遠に調査中 竜の邪眼 ペトリ。詠唱完了時点でトールダンの方を向いていると恐慌+被ダメ上昇。 邪竜の魔炎 頭割り。いかにも「IN!!!!!」的なマーカーが付くからすぐわかる エンシェントクエイガ 10000ぐらい食らう全体魔法攻撃。ちょっと痛い ヘヴンリーヒール †蒼天の踵落とし† めちゃんこ痛い詠唱あり物理攻撃 所謂フラッテンとかの類 +概説 木人。 一応百雷→魔炎→クエイガはそれなりに痛いので注意 HP70%で次フェーズに強制移行するっぽい この時点で全員五体満足にも関わらず75%とかしか削れてないなら【ギブアップ投票】 フェーズ2(シャリベル・エルムノスト・ゼフィラン・ヴェルギーン・イニアセル・ポールクラン) +敵の技 [シャリベル] ホーリーチェーン 鎖で結ばれたプレイヤー同士が離れるまで継続ダメージ。大して痛くない ヘヴンフレイム 詠唱あり範囲攻撃。タンク以外が当たるとたぶん死ぬ [エルムノスト] コンヴィクション 塔のついた詠唱あり範囲攻撃×4。↓があるから絶対踏む必要がある絶対だぞエターナルコンヴィクション 踏んでない塔があった時に発動。全体大ダメージ+麻痺。トップクラスの全滅要因 [ゼフィラン] セイクリッドクロス 長い詠唱の後HP割合ダメージ。ゼフィランのHPが低いほどダメージ減少 [ヴェルギーン・イニアセル・ポールクラン] スパイラルスラスト バハムートでお馴染み外周ダイブ。もちろん当たると死ぬ +概説 トールダンが消えたら全員中央に集合し、鎖とヘヴンフレイムが見えたら各自散って塔を踏む。 ヘヴンフレイムが背景のせいですごく見づらいけど視認性の悪さも難易度のうちらしいので色弱は【また会いましょう!】 ゼフィランが湧くけどここではバフは使わずに2ホモにつぎ込んだ方がいい ゼフィラン殴ってる途中で槍組が外周に湧くので、ゼフィラン50%ぐらいまで削れたら外周を意識しはじめる。 気合で避けてもいいが、この突進には安置が存在する。大概マーカーが置かれるが鵜呑みにすると微調整が効かず死ぬ。 いずれにせよここで轢かれるような奴がいたら【ギブアップ投票】 フェーズ3(アデルフェル・ジャンルヌ・ヴェルギーン・イニアセル・ポールクラン) +敵の技 [アデルフェル・ジャンルヌ] 蒼天の構え 自分に↓2つのどちらかを付与する。再使用で入れ替わる。2匹の距離が近いと互いが強化される蒼天の剣 与ダメアップ。これナイトによこせよほんと 蒼天の盾 被ダメダウン。戦闘時間が無駄に伸びる ホーリーブレードダンス 5000×6ぐらいの超痛い物理攻撃。2体同時に来るのでヘヴンリーヒールより性質が悪い ヘヴンリースラッシュ ここだけ名前がうろ覚えだけど多分これでいいはず ちょっと痛い前方範囲攻撃で油断してると死ぬ ホリエストホーリー 全体攻撃。ネーミングセンスがやばい [ヴェルギーン・イニアセル・ポールクラン] スカイワードリープ 青玉でマーキングされたDPS1名中心に全体攻撃。着弾地点から遠いほどダメージ減少 +概説 東西にホモが2匹湧くのでSTが片割れを挑発して引き離す。どっちを取るかはあらかじめ決めておこう 近いと線が付くのはお約束 蒼天の構え後はDPSは剣の付いた方を集中攻撃。タンクは動けないので盾付いた方は悲しみを背負う 蒼天の構え直後にホーリーブレードダンスが来るのでバフとバリアを準備 3連青玉は1人目北、2人目南、3人目北(方角は可逆)と交互に離れた位置に落として処理する。 青玉がついた本人は超痛いけど次の全体攻撃までしばらく余裕はあるのでそれまでに戻しておけば問題ない 青玉後敵の剣盾逆転。全体攻撃の後2回目のホーリーブレードダンス。 3回目の蒼天の構え後ぐらいで並の火力なら片方落としてると思うけど、もし3回目のホーリーブレードダンスが来たらギブアップ投票を待つまでもなくタンクが死ぬ。 全知全能の神の化身おなこさん率いる高火力PTで2回目の蒼天の構え前に片方沈められると後の展開が楽になる}剣付いた方のタンクは無敵アビと攻撃スタンスでごり押ししてしまってもいい フェーズ4(ヴェルギーン・イニアセル・ポールクラン・オムリク・グリノー) +敵の技 [ヴェルギーン・イニアセル・ポールクラン] スパイラルピアス 線でつながれたプレイヤーに向かって前方直線範囲攻撃。線の元から離れているほどダメージ減少。 [オムリク] ハイマルストーム シヴァのヘイルストームっぽいあれ。着弾地点に凍傷DoT床設置 [グリノー] ディメンションクラッシュ プレイヤーの足元から広がる黒範囲。よけろ フェイスアンムーブ 全体吹き飛ばし。 +概説 2ホモ撃退後中央に集合し、黒範囲が見えたら最初に決めた指定位置に散開。 間髪入れず中央からミンチさんが吹き飛ばしをしてくるので各自氷or線を受けたら吹き飛ばしで氷床を踏まないように中央に向かう。 フェーズ5(ヌドゥネー・ゲリック・アルティメットエンド) +敵の技 [ヌドゥネー] ホーリーメテオ 大聖紋1個と小聖紋8個を設置。シルクスのあれ。 コメット マーカーで指定された対象に範囲攻撃を連打。巻き込み注意 [ゲリック] ヘヴィインパクト 270°放射状に広がる範囲。食らうと痛い+スタン。 [トールダン] ライト・オブ・アスカロン 剣を中心にノックバック×7。うざい アルティメットエンド かっこいいけど数十回も周回してると飽きる +概説 DPSチェック。各自小聖紋から壊していく。 小聖紋1個着弾ぐらいなら死なないので1個だけ無視してもいい 同時にコメットとヘヴィインパクトが来るのでマーカーついた奴は他人を巻き込まないように移動、ヘヴィは後ろに回り込むか広がる境目を渡って回避 ヘヴィインパクトはすごく見づらい頭おかしいけど視認性以下略 聖紋が終わったら一同整列からのアルティメットエンド。これまでに死んだ回数が多いほどダメージ増加。 学者orノクタ占はバリア 白chanヴェール見て;;;; フェーズ6(ナイツ・オブ・ラウンド1回目 剣組) +敵の技 [トールダン] 竜の眼 ここから竜の眼を使うたびに外周のどこかに邪竜の眼を設置する。最初は必ず12時。 竜の邪眼 ↑の外周眼からも発射されるようになる。やばい [アデルフェル・ジャンルヌ] ホーリーシールドバッシュ 緑マーカーをヒラのどちらかにつけ、マーカーが消えるとスタン+魔法耐性ダウン。 [ゼフィラン] スピア・オブ・ハルオーネ イイ人を殺したあれ。詳しくは後で書くけど要するに真成1層のワイルドチャージ。セイクリッドクロス ↑で1人でも死人が出ると発動するおしおき。P2、10と違って即発動し強制全滅。 +概説 後半戦。たいていアルティメットエンドでLB3溜まっているので即撃ち 緑マーカーのついたヒラはボスの横(トールダンを12時として1時か11時)に移動しHoTやバリアの準備をしつつお祈り。 ヒラがスタンを食らったらゼフィランがスピアオブハルオーネの構えに入る。 スピアオブハルオーネはスタンヒラに向かって放たれる前方範囲の頭割り攻撃で、被弾者全員に100%虚弱が入る。 特にゼフィランに一番近いプレイヤーに大ダメージ+物理耐性ダウン。 というわけでヒラがスタン食らったらMT以外の全員がゼフィランとヒラの間に入る。 もちろんSTはゼフィランに一番近くなるように位置取り、バフを張ってお祈り 近接は方向指定を諦めるしかないが、MTがケツを向けてあげるのがまごころかもしれない スピアオブハルオーネと平行してヘヴンリーヒールが来るのでインスタントヒールを残しておくと安心 邪眼が外周の眼からも飛んでくるようになっているので、MTは横を向いて避ける。 フェーズ7(ナイツ・オブ・ラウンド2回目 斧組) +概説 MTは外周の眼の近くにトールダンを連れていく。 邪眼・塔・ヘヴィインパクトが同時に来る。 塔はエルムノストの向いてる方向の横一直線に4つPOPし、打ち合わせマクロでもこれを基準に塔踏み担当を決めることが多い けどぶっちゃけ当てにならないのでアドリブで踏んだ方がいいと思う ヘヴィインパクトは装備が十分でバリアが張ってあれば1回踏んでも死なない。 ヘヴィを華麗に避けようとして塔踏み忘れて死ぬのはミンチさんより頭が悪いのでヘヴィ踏んででも塔は最優先で踏む 黒範囲を避けたら魔炎と外周側からの吹き飛ばしが同時に来る。 全員が同じ位置で魔炎食らうように黒範囲終わったらすぐ中央に集合する。 魔炎直後にアスカロンマイトがくるので巻き込む/巻き込まれたら彼女に逃げられる。 フェーズ8(ナイツ・オブ・ラウンド3回目 槍組) +概説 たぶん最難関。ここでの外周眼はハッタリなので無視していい 百雷からの外周突進、青玉、線、頭割りという豪華4本立て 処理法は主に2通り 安置固定法 あらかじめ外周突進の安置にマーカーを置いておき、Aに頭割り、Bに線、Cに青玉を置く。 各自判断する情報量が少なく楽だがマーカーを鵜呑みにし過ぎると微調整が効かず突進でやっぱり死ぬ。 突進基準法 外周突進騎士を12時と見立ててそれぞれ決められた方角で処理する。 具体的には頭割り10時、線7時、青玉3時。反転回転可 突進騎士の方向をほぼ全員が正確に把握する必要がありややシビア Masamuneでは今(2015年12月ぐらい)のところ突進基準法が主流だと思う これらを処理し終わるとヘヴンリーヒール→アスカロンマイト。マイトを受けたら中央に戻す ヘヴンリーヒールってヒールって略すとややこしい。 フェーズ9(ナイツ・オブ・ラウンド4回目 杖組) +概説 トールダンを中央で外周眼の方向に向ける。 邪眼ヘヴン鎖ハイマルメルシーコメットと一見訳が分からないように見えるが、 「邪眼詠唱開始と同時に指定位置に散開しAoEを避ける」だけで、実は処理は簡単な部類。12時側は外周眼に注意 バリアとHoTをかけておけばほぼ安心。パイッサより頭の悪いお前らでも安心だね とってつけたようなクエイガ→ヒール→クエイガに耐えたら最終フェーズ。 フェーズ10(ナイツ・オブ・ラウンド) +敵の技 [ヴェルギーン・イニアセル・ポールクラン] ヘヴンスリープ 普通のそこそこ痛い全体攻撃。 [シャリベル・オムリク・ヌドゥネー] ピュア・オブ・ソウル 超痛い全体攻撃。 [エルムノスト・グリノー・ゲリック] アブソルートコンヴィクション 同上。 +概説 総力戦。ここから鬼のように全体攻撃を乱発されヒラは禿げる フェーズ7同様にトールダンを外周目の近くに連れていく。 槍組のヘヴンスリープ×3が終わったあたりでゼフィランがPOPしてセイクリッドクロスの詠唱に入る。 ゼフィランがいる間はトールダンが無敵になるのでゼフィランを全力攻撃。 この間はアスカロンマイトが来ないのでMTもトールダンを内側に向けてゼフィランいじめに参加する。 同時に超痛い全体攻撃×2が来るので全力で回復&軽減 だがそもそもゼフィランがPOPしてる時点で火力がない=死人が出てる=誰かしら衰弱ついてる というわけで大概誰かしら全体攻撃に振り落とされて死ぬ。 ゼフィランの途中で最後の邪眼が来るので頭の中がゼフィランな奴は死ぬ。 セイクリッドクロス発動後クエイガ→ヒールの後狂ったようにアスカロンマイト連打に入る(痛い)。 トールダンが剣の素振りに満足したら、超威力のエンシェントクエイガを放ち強制終了。総戦闘時間11分ぐらい。 練習PTでもなしにここまで来ちゃったら全員パイッサの糞以下のポンコツなので猛省してください とりあえずつらつらと書いたけど占に関してはエアプなので変なこと書いてたらおなこさんに踵落とし食らう。 コメント 名前 コメント
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【名前】 ジェネラナイ 【大きさ】不明 常に増え続けている 成人男性並みが永遠に増え続けている その成人男性並みにはオーラを纏ったタイプと纏っていないタイプが存在する。 なお、増える速度は異常で0秒で5463体も増える 【攻撃力】オーラを纏ったタイプ;触れると即死攻撃を与える 【防御力】なにかを防ぐという行動をしなくても大丈夫なので不明。 【素早さ】常に先手を打つ 相手は先手をうてない 【特殊能力】存在する限り戦闘は続行されない 時間無視がいれば戦闘を行える 考察可能の壁からstart 名前 コメント
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「で、だ。俺に何か用か?」 俺は自分を呼び出した少女に言う。 「ええ。実は頼み事があるのよ」 俺の言葉に彼女は答えを返すをする。 「へぇ……。アリス、君が頼み事とは珍しいね」 「ええ……。実はチェスで勝負して欲しいの」 「はい?」 彼女の答えが予想外なので俺は、つい声に出してしまった。 「……確かに相手はできるが、何で俺なんだ?」 俺は疑問に思い聞いてみた。 すると―― 「最近始めたんだけど、相手をしてくれる知り合いが少ないからよ」 ――と、答えてくれた。 「つまりは暇つぶしの相手、と言うわけか」 「まあ、そうなるわね」 どうやら俺はこの少女の暇つぶしに使われるらしい。 「最初に言っておくが、一戦だけだぞ」 この手の勝負は負けた方が「もう一回」とねだってくる事が多いので、最初に釘を刺しておく。 「ええ、それで良いわよ」 すると彼女はそう言ってくれた。 とりあえず勝負が始まった。 「じゃあ、俺はここからいくか」 そう言って、俺はe2のポーンをe4に動かした。 「じゃあ私はここ」 すると彼女はe7のポーンをe5に置く。 「ここだ」 次に俺はg1のナイトをf3に置く。 「なら、私はここで」 彼女はb8のナイトをc6に置いた。 「じゃあ……こうだ」 俺は先の事を考え、f1のビショップをc4に置く。 「じゃあ私はここに」 そして彼女はd7のポーンをd6に置いた 「ふむ……」 ここで少し俺は考える。 このまま思うように進めば俺は勝てるからだ。 しかしこのまま進むかどうか…… まあ良いか。上手くいかなかったら、また考えればいい。 そう思い俺は4手目を打った。 「では、ここで」 俺はb1のナイトをc3へ動かす。 「……じゃあ私はここ」 すると彼女はc8のビショップをg4に置いた。 「う~ん」 予想道理に事が運んだ。 彼女はチェスを始めたばかりなので、まだこの状況に気付いていないようだ。 「じゃあ、ここで」 そう思いながら俺はf3のナイトをe5に動かした。 「……○○私を嘗めているの?」 と聞いてくる。 当たり前だ。今の一手で俺のクイーンは今や丸裸になったから。 俺的には作戦だから良いのだが…… 「いえ、そんな事はありませんよ、アリスさん」 とはいえ、彼女は手加減されていると思い、少々ご立腹気味だ。 とりあえず俺は、はぐらかす様に言った。 「まあ良いわ。後悔させてあげるから」 彼女はそう言って、g4のビショップ動かしd1に置く。 そして俺のクイーンを取った。 予想道理に事が進む。 一々表情がにやけ無いようにするのが大変だ。 そう思いながら、俺は次の手を打つ。 「ふふ、つぎはここだ」 そう言い俺はc4のビショップをキングの斜め前、つまりf7に置いた。 「チェック」 そして告げた。 「な!?」 彼女は驚き俺を見る。 「そんな手で来るなんて……」 彼女はそう言い次の手を探す。 と、言っても、キングを動かさないと負けてしまうので次の手は容易に読める。 多分キングを前進させるだろう。 「……ここで」 彼女はそう言い予想道理、キングをe8からe7に前進させた。 「チェックメイトだ」 俺はニヤリと笑いながら、最後の一手を打つ。 内容はc3のナイトをd5に置くと言う物だ。 「あ!?」 彼女は自分が負けていた事に驚いたようだ。 いつの間にかキングは動けなくなっていたからだ。 「うそ……。全然気付かなかった」 まぁ、始めたばかりなら気付かなくて当然ではある。 と言うか気付く方がおかしい。 俺も始めたばかりの頃はこんな事ばかりだったから。 「まぁ、気にしない方がいいぞ。最初は誰でもこんなもんだから」 だが、一応慰める。 これで彼女がチェスを止めては勝負した意味がないから。 こういうゲームはやれる人が多い方が楽しいから。 まあ、他にも理由はあるけど、それは内緒だ。 「……もう一戦よ」 彼女はぽつりと告げた。 「最初に言ったけど、一日一回しかしないぞ」 しかし俺は最初に言っておいた事を告げる。 少し内容は変わっているが、まぁ気にしない。 「う、……。なら明日もう一戦よ」 すると、少し予想外の言葉が返ってくる。 「……」 とりあえず俺は黙り込む。 「ねぇ……ダメ?」 すると今度は不安そうに聞いてくる。 「ま、いいか」 そんな言い方で言われれば断れ無いと思いながら俺は言った。 「じゃあ、明日またきてね」 俺が答えると、彼女はすぐに元気になってそう言った。 ……何か騙された気がする。 でも、ま、いいか。 これで彼女の家に通う理由が出来たから。 そう思いながら俺は自宅に帰るのだった。 ※ チェスの板は8×8マス 列はa~Hで行は1~8 6スレ目 481 ─────────────────────────────────────────────────────────── 朝の陽射しに目が覚める。 窓を覗けば、いつもの森に粉砂糖。 キラキラと朝日をうけて輝いている。 ホワイト・クリスマスイブ。 うっすらと積もった雪は、すぐに融けてしまうだろうけど、 今日という日に、ぴったりだとアリスは思った。 クリスマス。 先日、香霖堂の店主が言っていたことが思い出される。 「クリスマスはね。外の世界では恋人同士の聖なる夜なんだよ。 イブに恋人同士でデートして、プレゼントを交換して、キスをして、その先まで行って 2人でクリスマスを迎えるんだ」 恋人たちの聖なる夜。 何と甘美な響きだろう。 その、イブが今日なのだ。 彼は、来てくれるだろうか。 いつもシャイな彼だけど、 手を繋いで、自分を抱き寄せて、優しいキスを交わしてくれるだろうか。 なお、その先を事細かに説明しようとした店主には、ストロードールカミカゼをお見舞いしておいた。 ベッドから起きると、シャワーを浴び、お風呂に入る。 いつもは軽くだけど、今日はハーブ入りの石けんで念入りに全身を。 「その先まで」 霖之助の声がこだまする。 そこまで行く気はないけれど、少しは進展したい。 何しろ、恋人同士だというのに、手を繋いだこさえがほとんどないのだから。 風呂から上がり、鏡台の前まで行くと、 バスタオルを脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿になる。 デートの約束はしてないけれど、 いつもの服装の自分じゃ、きっと落胆するだろう。 彼が来た時に、思わず見惚れさせるように、可愛い服を着るのだ。 準備は万端。 最近大きなものに買い換えたクローゼットを開き、人形たちにも手伝ってもらって、 下着から一つ一つ並べ、選び始める。 ショーツは、コケティッシュなオレンジか、大人っぽく黒か。 清楚な白いブラウスか、ピンクの可愛い系でアクセントをつけるか。 ひだのついたロングのプリーツスカートは、黒で行こうか。それとも青か。 コートは茶色、黒、ピンクの3種が揃っている。 リボンは、この服の選択肢だと、赤か緑がいいかもしれない。 彼の好みを想像しながら、一つ一つ選んでいく。 「可愛い」って言うかな? 「綺麗」って言うかな? 気が付かない、ってことはないと思うけど。 服を着終わったら、次はおめかし。 ピンクのリップを唇に薄く塗って。 つぶらな瞳を意識して、睫毛を軽くカール。 香水は、ハーブの匂いと調和する、爽やかなクールミントで。 髪を梳かして、リボンをつければ出来上がり。 うん、自分でもよくできた。 服はちょっと大胆になっちゃったけど、彼に暖めてもらえばいいよね。 一通り、準備が終わると、お腹の虫がくぅ、と鳴いた。 時計を見れば、午後一時。 彼は、まだ来ない。 「ちょっとだけ、お昼食べちゃおうかな」 軽く、ブランチとなってしまった食事を用意する。 もう、よそ行きへ着替えてしまった服を汚すわけにはいかないから、 バターもつけずにパンのみを。 これなら、万一服に落ちても払えばすむ。 「人間だもの、寝坊することくらいあるわよね」 虚空への独り言はそのまま消え、 イブに一人で食べる食事は、いつもに増して味気なかった。 昼食も終わると、手持ち無沙汰になり。 寝室に戻って、ベッドへと腰掛ける。 朝、眩しかった陽射しは影を潜め、 どんよりとした雲が、空を厚く覆っていた。 「はぁ……」 思わず、溜息。 そして、服が乱れるのも構わず半身をベッドに倒そうとすると、 「あ……」 右手に触れたのは、今朝も抱いていた彼の人形。 一針一針、彼に秘密で縫い上げた自分の最高傑作。 その人形を取り上げると、自分の目の前に掲げ、 「もう、早く来なさいよね」 ポン、と。 軽く、デコピン。 ――しまった。 いくら人形とはいえ、愛する彼に手を挙げるなんて。 「ご、ごめんなさい!」 慌てて、その人形のおでこを優しくさする。 少し経って。 「はあ、私、何やってんだろう……」 手に取っていた人形を枕元に置くと、そのままベッドに横から倒れ込む。 悪い想像ばかりが膨らむ。 何者かに襲われているんじゃないだろうか。 実は、私のことなんてどうでもいいんじゃないか。 そう言えば、最近彼は魔理沙と仲が良かった。 話も弾んでいたし、息も合っていたことを思い出す。 今ごろ、もしかして魔理沙を誘ってイブのデートを楽しんでいるのかも知れない。 あ、耐え切れない。 魔理沙とデートしてたら、私……。 どうしよう。 両目からの涙が止まらない。 「ばか……。女の子泣かさないでよね……」 自分の上に掲げた、彼の人形に語りかける。 何も答えてはくれないけど。 机の上のプレゼントに視線を移す。 クリスマスらしく、赤い紙に緑のリボンで可愛くラッピングしてある。 中には、長くて黄色いマフラー。 少女漫画で読んだ、二人で一つの長いマフラーをやってみたくて。 早目から編み上げた、普通の2倍のマフラー。 長さは2倍。愛は無限。 そんなプレゼントも、今は心なしか寂しそうだ。 いたたまれなくて、反対側を向くと、 涙が一つ、純白のシーツに零れた。 「ねえ、早く来てよ……」 祈りながらドアへと顔を向けると。 魔界から持ってきた大好きな少女漫画が目に入った。 漫画の中のデートが思い起こされる。 2人で手を繋いで映画を見て。 彼と手を組んで公園を散策。 しゃれたお店でペアのマグカップを買い、 ちょっと高級なレストランでディナーを食べて。 噴水の前で、指輪を貰ってキスをして。 永遠の愛を誓うのだ。 でも、今のアリスには。 そんな幸せなカップルの漫画も、拷問のようだった。 絵を思い起こすと、 顔がすべて、魔理沙と愛しい彼になってしまうのだ。 手を繋いでいるのも。 ペアのカップを買っているのも。 ディナーを食べているのも。 永遠の愛を誓っているのも。 すべて、魔理沙と彼。 「ぐすっ……、魔理沙、彼まで盗っていかないでよ……」 「神様のいじわる……。せめて、想像くらいまで幸せにしてくれたっていいのに……」 止まらない涙を枕に押し付けて。 アリスは、静かにむせび泣くのだった。 チリン チリン 呼び鈴の音が聞こえる。 いつの間にか、寝てしまったようだ。 宵闇が部屋に入り込み、辺りは真っ暗になっている。 魔法の明かりをつけて、 そっと、玄関の方を覗き見た。 彼だ。 アリスの顔に朱がさす。 慌てて、お化粧を直し、身だしなみを整える。 彼が来てくれれば、笑顔の準備はばっちり。 さあ、勝負だ。 彼を見蕩れさせて。 こんな可愛い女の子を1日放っておいたことを、後悔させてやるのだから。 いつの間にか、空からは白い粉雪が舞い降りてきていた。 6スレ目 554 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ッ……!」 飛び起きたそこは、見慣れた我が家だった。 嫌な汗が噴き出る。汗でパジャマが張り付く。気持ち悪い……。 きっと、今の私は傍から見ればひどい顔をしているのだろう。 鏡を見なくてもわかってしまった。そのくらい、気分が悪い。 とてももう一度寝る気にはなれず、私はそのまま起きることにした。 「……水」 喉がカラカラだった。 あれだけ汗をかいていたのだ、当たり前だろう。 私は外の井戸へ向かい、コップ一杯の水を汲むと、一気に飲み干した。 冷たい。 早朝の冷たい風と、喉を通り抜ける水により、次第に私の頭はいつもの働きを取り戻してきていた。 それとともに、つい先ほど見た夢も明確に思い出されていた。 「どうして……」 本当に、疑問だ。 「どうして、今更、あんな夢を見たのかしら……」 よりによって、初夢。 去年の大晦日、光り輝く来年に心ときめかせていたことすら吹き飛んでしまった。 「最悪の年明けね……」 言葉に出し、違和感を感じた。 "最悪"? 本当に? むしろ、私にとって、あの夢は……。 「……そう。そうね。私は……、私としたことが。目標を見失っていただなんてね」 どうして私が、この道を選んだのか。 それが全てではないだろうけれど、恐らくは、半分を占めるであろう理由。 これは、私……アリス・マーガトロイドが、まだ人間だったころの物語。 魔法使いになると決意するまでの物語。 そして、今の私を形作っている物語。 「ありがとう……、○○」 その言葉は、夜空に溶けて消えた。 それは、空飛ぶ不思議な巫女や、白黒魔法使い達が来た少し後のお話。 「いってきまーす!」 「アリスちゃん、行ってらっしゃい。車には気をつけるのよ?」 「わかってるよ、お母さん」 いつもの挨拶を交わし、私は外へと飛び出した。 毎度ながら思うけれど……、空を飛ぶんだから車はないよ、お母さん。 もう何度も通り、見慣れた道を抜けて、目的の建物の元へ。 別に、建物自体に目的があるわけじゃないけど。 「こんにちは、○○。ごきげんいかが?」 「ん。……今日は、調子いいみたい」 「それはよかった、うん」 そう、私はこの男の子に会うためにこの場所に来ていた。 彼の名前は○○。 彼との出会いは丁度1ヶ月前。 私は、お気に入りの人形を失くし、それを探し回っていた。 いくら探しても見つからず、半分泣きそうになっていた時。 「手伝おうか?」 そう、声を掛けてきてくれた。 結局、彼と二人で探しても人形は見つからなかった。 でも、私は不思議ともう悲しんでいなかった。 一緒に探してくれた彼のおかげだろうか。 このことがきっかけとなって、私は彼の元に毎日遊びに行くことになった。 彼は、病弱であるらしく、一日のほとんどを自分のベッドの上で過ごす生活をしていた。 私は、晴れの日は窓を開けて歌を歌ったり、絵を描いたりし、雨の日は、童話を読んだりして彼と過ごした。 思えば、私は彼に一目惚れしてしまっていたのかもしれない。 ○○のする話、○○の歌う歌、○○の書く絵……。 全てが私には輝いて見えた。 その中でも、最も輝いて見えたもの。 それは、○○の作る人形だった。 ○○の作った人形は、まるでマエストロが作った物の様に、繊細で、かつ大胆で……。 私は彼の人形の虜になってしまっていた。 彼は、そんな私に2体の人形をプレゼントしてくれた。 ひとつは、赤いドレスを纏った可愛らしい人形。 もうひとつは、青と白のドレスを纏った、どこか影を帯びた綺麗な人形。 彼は、その2体をそれぞれ『上海』『蓬莱』と呼んでいた。 この2体は彼の最高傑作であるらしかった。 一目見ただけで、他の人形とは違う何かを見て取れたからだ。 流石に、これを受け取るわけにはいかないと、私は初め断った。 しかし、彼の「どうしても君に受け取って欲しい」との言葉に、素直に受け取ることにした。 嬉しい。 彼は、こんなにも私に良くしてくれる。 ああ、でも足りない。 もっと、もっと彼が欲しい。 ○○が、○○の全てが欲しい。 もっと、もっと……。 できることなら、いつまでも彼のそばにいたい。 そして、変わらない笑顔を私に向けて欲しい。 いつまでも。いつまでも……。 そんな、ある日のこと。 私がいつものように彼の部屋を訪れると、いつもと変わらぬ笑顔が出迎えて……くれなかった。 彼の部屋はすっかり片付き、所狭しと置かれていた人形はひとつもなかった。 そこにあるのは、ベッドのみ。 主の姿はそこには、ない。 ただ事ではないと感じた私は、部屋に降り立ち、ベッドに向かった。 そこには、一通の手紙が置かれていた。 急いで封を切り、中を読む。 そこには、たどたどしい文字で綴られた彼の思いがあった。 『親愛なる アリスへ この手紙を読んでいるってことは、僕はもうこの世にはいないんだと思う。 ……うん、いつかは、こんな日が来るってわかってたんだけど。 でも、どうしても言い出せなかったんだ。 ごめんね。 これを読んだ君は、今どんな顔をしてるんだろう。 泣いてくれているのかな? それとも、こうなるまで隠していたことを怒っているのかな? 僕にはもう、それを知る方法もないんだね……。 あの日、アリスと初めて会ったとき。 実は僕は、君に一目惚れしちゃっていたんだ。 だから、次の日君が来た時、驚いたけど、すごく嬉しかったんだよ。 毎日僕のところに来てくれる、その事を考えるだけで僕は幸せな気分になれたんだ。 そんな、僕を幸せにしてくれる君だから、僕はあの人形をプレゼントしたかったんだ。 気に入ってくれたかな? 気に入ってくれたら、嬉しいな。 でも、ひとつだけ、心残りだったことは。 アリスに、直接「好きだ」って言えなかった事かな。 もっと、僕に時間があれば。 この体が、他の人と同じように、健康だったら。 この時ほど、この体を恨めしいと思ったことはないよ。 もっと、アリスのそばにいたかったな。 もっと、その笑顔を見ていたかったな。 でも、もうそれも叶わないんだね……。 最後に。 こんな、僕と。 仲良くしてくれて……本当に、ありがとう。 ○○』 手紙を読み終えた時から、いや、読んでいる最中から、私は涙を止めることができなかった。 彼もまた、私を好いてくれていた。 でも、もはや、もうその彼は……いない。 私の手元に残されたのは、彼がくれた人形が2体。 それだけだ。 目の前が真っ暗になるような感じ。 もう、私は何も考えることができなかった。 それからのことは、あまり覚えていない。 気づいたら、私は普段着のまま自分の部屋のベッドで寝ていた。 ゆっくりと起き、周りを見回すと、2体の人形が目に付いた。 緩慢な動作でその人形達に近づき、手に取る。 『上海』と『蓬莱』。 暫く眺めていると、『蓬莱』は今の私の姿に良く似ているように見えた。 彼に何もできなかった私。 無力な私。 黒い感情が、私の心の底から湧いてくる。 私は『蓬莱』を床に叩きつけ、何度も、何度も足で踏みつけた。 ――私は、私は……、私は! ボロボロになったそれの首に縄を巻きつけ、天井から吊るす。 首吊り。 いっそ、私が死ねば、彼に会えるだろうか。 ……でも、彼はそんなことを望んではいないだろう。 急速に醒めていくどす黒い感情。 それとともに、自分がしてしまった事の重大さに気づいた。 なんてことを。なんてことをしてしまったのだろうか。 よりによって、彼の、心が篭もった人形を。 急いで縄を外し、抱きしめる。 「ごめんね、蓬莱……、ごめんね、ごめんね……」 汚れを払い、解れてしまったところを繕う。 私はこういうことに不慣れだったので、少し不恰好になってしまった。 だが、『蓬莱』は元の形を取り戻した。 私は『蓬莱』を元の棚に戻すと、静かに部屋の外へ出た。 「ちょ、ちょっとちょっと! アリスちゃん! こんな時間にどこに行くの?」 お母さんが騒いでいるけど、気にせず進む。 「アリスちゃん!」 お母さんの制止を振り切って、私は夜の空へと舞い上がって行った。 目指すは、彼の部屋。 なんだか、私はもう一度そこに行かなければならない気がしていた。 彼の部屋に着く。 主を失ったベッドと、がらんとした室内が私を出迎えてくれた。 私は何かに吸い寄せられるように、そのベッドの下に潜り込んだ。 そこにあったのは、一冊の本。 そして、彼が使用していたであろう、ソーイングセット。 本は、人形についての本だった。 私はそれらを大切に抱きかかえ、家路に着いた。 それからというもの、私は来る日も来る日も人形を作り続けた。 私の部屋は、かつての彼の部屋のように、人形であふれる様になった。 お母さんは、初めこそ不思議に思っていたようだけれど、今では私を手伝ってくれるようになった。 そして、私は風の噂であることを聞いた。 ここではない地上……便宜上人間界と呼ばせてもらうけれど。 人間界では、人形に亡くなった人の魂を呼び戻す魔法があるということ。 それを使えば……その魔法さえあれば、私は彼ともう一度過ごせる? もう一度、彼と……。 「ダメよアリスちゃん! 向こうは危険がいっぱいなのよ?」 案の定、お母さんに人間界に行きたい旨を話したら、反対された。 「この間も外から来た人にひどい目に遭わされたばかりでしょ?」 確かにそうだ。 空飛ぶ巫女や白黒魔法使いが外の世界にはいる。 でも……、それでも、私は……。 「ね? アリスちゃん、せめてもっと大きくなってから……」 「じゃあ、お母さん。お母さんの力で、私を成長させて」 「え? あ、アリスちゃん?」 自分でもどうかしてると思った。 でも、でも私は外に行きたい。 「お願い。どうしても行きたいの、お母さん」 「アリスちゃん……」 もう一度、彼に会いたい。 会って、話をしたい。 もう一度。 「……わかったわ、アリスちゃん」 「! お母さん……」 「アリスちゃんには負けたわ……。そこでじっとしててね?」 そう言うと、お母さんは呪文を唱え始めた。 体が、熱い。色々な所が痛い。 お母さんが呪文を唱え終えると、私はもうすっかり成長した姿になっていた。 「アリスちゃん……。気をつけて、行ってらっしゃい」 「お母さん……」 「車には、気をつけるのよ?」 「……うん!」 いつもの挨拶で送り出され、私は力強く飛び立った。 そして。 色々な事を地上で経験し、今私はここにいる。 どうしてこんな大切なことを忘れていたのだろうか。 今の生活に、満足してしまっていた……? それでは、地上に出てきた意味がないではないか。 私のバカ。 まだ、死者を蘇らせる魔法は習得できていない。 習得どころか、資料すら怪しいところだ。 最近は、紅魔館の魔女が図書館を利用させてくれるから楽ではあるが。 とにかく。 彼と、また笑いあえる日々。 初夢で見たような、日常。 それを現実のものにする。 もう私は見失わない、この目標を。 そうして、私は彼にこう言うのだ。 「おかえり、○○」と――。 避難所 78 ─────────────────────────────────────────────────────────── アリスから丁寧にラッピングされたチョコを貰った。 「ほらっ、これアナタにあげるわよ。 べ、べつにアナタにあげるためだけに作ったわけじゃないのよ! ただ私が食べたかっただけで、材料が余ったからついでにアナタの分も作っただけで…… つ、ついでなんだからそこのところ勘違いしないでよね! な、なにニヤニヤしてるのよ!! べ、別にアナタのために作ったわけ……じゃ… もう……バカぁッ!!」 6スレ目 753 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「はいこれ」 「……チョコ?」 「どうせあんたの事だから誰からも貰ってないんでしょう」 「アリス」 「な、なによ」 「今日は4月1日だぞ」 「た、太陰暦での日付の話よ!」 6スレ目 806 ─────────────────────────────────────────────────────────── アリスに「好き」って言ったら 『わ、私はあなたのことなんて何とも…… むしろ、あなたがいると邪魔になって人形も作れないし、大嫌いよ!』 って物凄い辛辣な言葉を貰った。 切なかったから師匠特製の『嘘しかつけなくなる薬』を飲ませてやった。 「大好き」と言ったが最後、一日中からかい倒してやるぜ! 「俺、アリスのこと好きだ。お前は?」 『え……? だ、大嫌いだってば! それに、あなたなんかに好かれたって、嬉しくないわ!』 あれ? 師匠、これ効いてませんよ! 6スレ目 979 ─────────────────────────────────────────────────────────── 久し振りに来る魔女の邸宅は贔屓目に見てもやっぱり不気味である。 こうしてここに来られたのは今日の野良仕事が午前だけになったおかげで、リーダーの英断に感謝もしきりだ。 最近の日差しは吸血鬼でなくても気化させられそうだし、いやマジで。 扉を開いてずんずん進む。 入り口が開いた時点で面会謝絶のセンは消えるので、出迎えがなくとも(゚ε゚)キニシナイ! ……あーっと、暑さでちょっとお脳が茹だってるかも。 妙なテンションのまま彼女の自室の前まで来てみれば、ドアノブの上で蓬莱人形がくつろいでいた。 中に入ってはいけないという意味だ。 こんな具合に、俺が来たときは勝手に出入りしてもいい範囲を人形たちが教えてくれる。 部屋には入れないということなので、扉をノックして名前を呼んだ。 「今、大事な作業中なの。気が散るから黙ってて」 少しの間を挟んで返ってきたのは何とも手厳しいお言葉。 しかしこれはいつもの事なので、それ以上の問答はせずに台所へと足を進めた。 勝手知ったる他人の家、というヤツだ。 「遅いじゃない」 料理を仕上げて一息ついてみれば当然のような顔をして食卓テーブルについているアリス。 これもまあ珍しい事じゃないが、いつもと比べて表情が険しい。 作業がはかどってないんだろうか、尋ねてみる。 「ちょっとしたスランプなの。それが何か可笑しい?」 成る程、だいぶキてるね。 別におかしくはないけれど、中断してる時くらいは気を休めたほうがいいと思う。 「……ごめん。ちょっと感じ悪かったかも」 まあ誰でも腹が減ってるとイライラするものですよ、と。 少し落ち着いてもらったところで上手くいったほうのオムライスをアリスの前に置く。 出来栄えを眺めるアリスが笑ったのを確認してから、こちらもテーブル向かいの席に座る。 「今日はキノコのソースじゃないのね。安心したわ」 森のキノコを使ったデミグラスソースは非情に評判が悪い。 幻想郷でケチャップを扱っているのはせいぜい紅魔館ぐらいのもので、手に入れるのが面倒なのに。 子供が好き嫌いするなよという俺の思考に対する皮肉か、人形たちがワインの瓶とグラスを運んでくる。 「貴方も飲むでしょ?」 本当はあんまり好きじゃないけれど、アリスのおすすめということで初めの一杯ぐらいは戴くことにしている。 なみなみと赤い液体に満たされた自分のグラスをそっと持ち上げ、 「乾杯」 はい、乾杯。 ……もっと甘いほうが好きなんだよなぁ、俺。 「じゃあ、こっちも戴くわね……って、何でいきなり笑うわけ?」 そういえば、初めはナイフとフォークで食べてたんだよな。 意地でもスプーンを使おうとせずにオムライスと悪戦苦闘していた姿を思い出して、思わず吹き出してしまった。 お互いの近況報告を話題の種にしての食事が終わると、アリスは小さな欠伸をしてみせる。 例によってまた二、三日休憩取らずにも作業に没頭していたパターンかもしれない。 「魔法使いってそういうものよ」 威張られても困るが、そりゃ苛つきもするわな。 効率、余裕といった単語を強調しつつやんわりと仮眠を勧めてみる。 「……そうしようかな」 説得成功。 俺がベッドの上に座ると、腿にクッションを置いてアリスがそこに頭を乗せる。 いつ見ても首が痛くなりそうな姿勢である。 「平気よ。それじゃ、一時間経ったら起こして頂戴ね」 部屋が静かになると、すぐに寝息が聞こえてくる。 俺もいつも通りに座った体勢のままで読みかけの本を開く。 すー、すー、すー、規則的に響く小さな寝息。 「ん……」 しばらくして、僅かに寝返りを打つのがサイン。 頭をクッションの上に乗せなおしてやると、もぞもぞと体勢を変えて腰に手を回してくる。 クリーム色の髪を手で梳いてやると、少し口元が綻んだ。 本当は魔法使いに食事や睡眠が必ずしも必要じゃないと知っていたりする。 でもそれをバラしてしまうと、この甘え下手は真っ赤な顔で怒って次の日からまた試行錯誤するんだろう。 どこまでも人間くさい魔法使いだから、俺はこうして好きになったんだと思う。 ……こっちも少し眠くなってきた。 おやすみ、アリス。 目を覚ましてみればベッドはもぬけの殻で、時計はとっくに日没を示していた。 「起こしてって頼んだのに自分まで寝てるんだもの。呆れたわ」 アリスはリビングでさも美味しそうに口元のティーカップを傾けていた。 参ったな、もう夜か。 一人じゃ夜の森は抜けられないし、アリスに送ってもらわなきゃいけないな。 「嫌よ。時間が勿体無いもの」 うわぁいミもフタも無いお言葉。 「今夜はうちに泊まって、朝になったら帰ればいいだけの話でしょう?」 あーそゆこと、要はもう少しここにいろと。 でも俺なんかがいて作業の邪魔になったりしないだろうか。 「ご心配なく。誰かさんがぐっすり眠ってる間に粗方片付けておきました」 そんなあっさり片付いたの? や、まあ満面の笑みを浮かべるくらいだから嘘はついてないんだろうけど、うぅむ。 「納得した? それじゃ、さっそく夕食の支度でもしてもらおうかしら」 あ? ちょっと前に食ったばっかりなのにまた食うの? 「頭脳労働で消費されるエネルギーだってバカにならないのよ、そ、そんな事も知らないの? だいたい魔法使いは食事でも魔力を補充できるから――」 俺の反応が気に障ったらしいアリスが白い肌を紅潮させ、何やら魔法使いについての解説を始める。 ~~云々かんぬんかくかくしかじかアメンボ赤いな紅魔館~~ アホには全く理解できない内容の上、早口で語られるうちに頭痛がしてきたのでこの辺で平謝りしておく。 「だいたい休みの必要性を説いたのは貴方なんだから、ちょっとくらい付き合いなさいよ」 こんな時のアリスはいつも不機嫌そうな顔になる。 ああまったく、たまには素直にお願いできないのかねこのひねくれ者は。 「……なによ」 ――まあいくらでも付き合うけどさ。アリスの事好きだし。 うん。 今更このぐらいの発言で真っ赤になるほど照れないで欲しいんだよね。 や、なんか俺も恥ずかしくなってきたからちょっと、黙るのやめてくださいアリスさん。 うpろだ170 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○は溜息を吐きながらゆっくりと起き上がる。 筋肉痛で体中が痛いが、まだ働き初めて二日目だ、休むわけにもいくまい。 香霖堂に住んでいた○○が、霊夢によって神社に連れてこられて一週間が経った。 毎朝霊夢に起こされ、彼女が作った朝食を食べる。 昼は霊夢が掃除をしていれば手伝い、寝ていれば彼もそれに習う。 夜も彼女が作った夕食を食べ、後は寝るだけ。流石に部屋は別々だが。 あとは偶に開かれる宴会に参加したり、遊びに来る萃香の相手をしたりする平凡な日常。 それでもまあ、香霖堂に住んでいた頃には考えられないほどの、規則正しい生活だ。 気になる事は最近アリスの姿を見ない事くらいか。 神社に住む時にアリスが霊夢に突っ掛かっていたが、ひょっとしてそれが原因だろうか。 なんて事を考えながら、○○は溜息を吐く。貴重な友達が減るのは、やはり辛い。 顔を見せに行きたいが、一人では彼女の家まで辿りつけない上に、そもそも場所を知らない。 ここで霖之助が浮かばないのは○○が男だからだろうか。やはり同性より異性だ。 「おはようございます!」 「おお、おはようさん。さあ、今日も頑張っていこうか」 そう、彼は男だ。だから意地もあり、霊夢に食わせてもらうのはヒモの様なので勘弁願いたい。 だからこうして人里まで降りて、大工の見習いとして働いている。 体力のない○○からすると、欲を言えば頭脳労働が良いのだが贅沢は言ってられない。 何せ彼単独では行動範囲が極端に狭く、できる事だってほんの僅かしかない。今雇われているのも、霊夢のコネみたいなものだ。 彼女は妖怪退治をしているせいか人里でも評判は良く、食べ物を分けて貰ってくる事が多い。 博麗神社のに住んでいるといると○○が話したら、驚かれたもののその後は暖かく迎えられたものだ。 活動的で人の役に立つせいか、人里でも霊夢は結構な人気者らしい。 普段だらけている霊夢の姿をしか知らない○○にとっては、何とも奇妙なものだが。 そうして仕事が始まる。 まだ見習いの○○に任せられるのは単純な肉体労働だが、運動不足の体には辛い。 元々現代人である彼は体力がないし、香霖堂の生活がそれを助長している。 慣れるまでは大いに苦労する事になるだろう。 そして昼の休憩。疲労で体がダルいし、作業の後では腹も減る。 本来なら弁当を食べている時間なのだが、○○は一人ひもじさに耐えている。 仕事場の人には霊夢のところに戻って昼飯を食べてくると伝えて冷やかされたが、実際はそんなわけにはいかない。 ヒモっぽい生活が嫌で仕事を始めたというのに、霊夢に昼飯をねだったり、ましてや弁当など頼める筈がない。 何時か余裕ができたら何か買って自分で作ろう。そう決心しながら、○○は空腹に耐える。 今の仕事は辛いが、香霖堂でお茶を飲む日々よりかは充実しているだろう。 霊夢に連れていかれてそのまま神社に残ったのも、仕事をしないといけないと思っていたところが大きい。 まあ、霖之助に「これからもタダ飯食わせてください」と頭を下げて戻るわけにもいかないが。 「あれ、アリスじゃないか。久しぶりだな、元気だったか?」 そこへ通りかかったのは、最近姿を見ないと気にしていたアリス。何の偶然なのだろうか。 もっとも、今はタイミングが悪いと言わざるを得ない。 ○○は仕事で疲れていてダルいし、空腹で話すのも億劫だ。 が、久しぶりに会った友人だ。とりあえず精一杯と見栄と意地を総動員して外面を取り繕う。 「魔理沙から聞いたんだけど、仕事始めたってホント?」 「ああ。霊夢の世話になりっぱなしってのも情けない話だし、家賃と食費くらいは入れようかと思ってね」 手を後ろで組んでいるアリスに対し、○○は苦笑しながら返す。 そう言えばアリスの収入源は○○も知らない。いや、幻想郷の知り合いは本当に働いているのかも怪しい。 霖之助の商売はほとんど道楽だし、魔理沙だって働いているとは言い難い。 まあ、彼女らには生きていくだけの貯えや能力があるのだろう。 ○○の様に何の力もない者は、汗水垂らして働くしかないのだが。 「で、何でこんなところにいるわけ?」 「その辺は察してくれるとありがたいんだが、」 「そう。で、お昼まだよね?」 「その辺も察してくれると実に助かるよ」 ○○としても、まさか自分のちっぽけなプライドのために飢えてます。などと言えるわけがない。 適当にはぐらかそうとするも、返ってきたのは小さな溜息。 悟られてるかなと、○○は内心で溜息を吐く。 まあ、こんな昼時に飯も食べずに俯いていたら、何かあったか直ぐに分かるだろう。 「仕方ないわね。はい、これ食べなさい」 「……アリス?」 後ろで組んでいた手が突き出され、○○の前にピンクの包みが現れる。 あの仕草はこれを隠すための物だったのだろう。 「一応友達だし、分けてあげるわよ」 「あー、何かこう、照れるな。ありがとう、いただいておくよ」 ピンクの包みの中からは、大き目のおにぎりが顔を見せる。 アリスにおにぎりは似合わないよななどと考えつつも、○○は礼を言って頭を下げた。 そしておにぎりを受け取り、○○は遠慮なくそれを頬張る。 これでは霊夢に甘えているのとあまり変わらない気がするが、好意は素直に受け取っておくべきだろう。 何せアリスは洋食派で、○○は和食派だ。 そうなるとこのおにぎりの意味合いは○○にも想像できるわけで。 「アリス」 「何よ」 「ありがとな」 「……別に、何度も礼を言ったところでこれ以上は何もでないわよ」 「それは残念だ」 ○○はわざとらしく肩を竦めてみせ、次のおにぎりへと手を伸ばす。 不恰好で丸とも三角とも取れない微妙な形だが、まあ味の方に問題はない。 アリスも○○の隣に腰を下ろし、不安げに○○の様子を伺っている。 隣といっても、人一人分の距離があるが、そこがアリスが近づける精一杯の距離だ。 流石に霊夢の様に、ごく自然に○○の隣に座る事はできない。 「なあ、もう一つ貰っていいか?」 「私はお腹は空いてないし、別に全部食べてもらっても構わないわ」 「そっか、それじゃあお言葉に甘えて」 少しだけ苛立ちながら、アリスはそわそわとしながら○○の言葉を待っている。 礼の言葉も欲しいが、本当に欲しいのはそんな言葉じゃない。 ○○はそんなアリスの気を知らずにか、のんびりとおにぎりを頬張っていた。 「ん、ごちそうさん。結構美味しかったよ」 「……どうしたしまして」 美味しい。結構が余計だが、望んでいた言葉を聴けてアリスも満足だ。 結局○○が全てのおにぎりを平らげてしまったが、元々アリスもそのつもりでいたので問題はない。 「まあ、今回の礼は給料が入ったらするよ」 「期待せずに待ってるわ」 ○○は横になり、雲を見つめる。 休憩時間はまだあるし、しばらくはここでのんびりしていてもいいだろう。 そうして二人の間に沈黙が訪れる。何時もの事なので、気まずいわけでもない。 まあ、二人の距離はこんなものだろう。 近過ぎず、遠過ぎず、互いが心地よいを距離を探した結果なのだから。 「なあ」 「ん、なに?」 「いや、なんでもない」 だが何時までもその距離を心地よく感じるわけでもない。 どうにか距離を埋めたいと、二人は少なからず思ってる。 まあ、焦る必要はないのだから、また手探りで探っていけばいいのだろう。 今日も今日とて幻想郷は平和だ。 うpろだ205 ─────────────────────────────────────────────────────────── 拝啓魔界のアホ毛様、夜中に寝ていたら突然貴方の娘が泣きながら家にやってきました 「どうしたんだ?アリスこんな夜中に恋人とはいえ男の家に来るなんて」 俺は動揺を極力顔に出さないようにしアリスを刺激しないよう聞いた 「○○が・・・・」 「俺が?」 「○○が死ぬ夢を見たの・・・」 「そいつはまた演技でもない夢を見たな」 だからアリスは不安になって俺の所に来たのだろう 俺がもし同じ立場だったら不安になるだろうからあながち笑い飛ばせる事ではない 「まあ俺はこうして生きてるんだから泣き止めよ、な?」 「・・・でも」 「でも?」 「でも○○はいつかは私を置いて逝ってしまうじゃない!」 そうだ俺とアリスとでは種族としての寿命が違いすぎる 片や不老の魔法使いのアリス、片や老いて後60年もしたら死んでしまう人間の俺 アリスにとっては直ぐに訪れる避けられない別れ 「そうだな、だからこそ今このときを大切にしよう」 「嫌!私は嫌!○○と分かれたくない!○○とずっと一緒に居たい!!」 「アリス・・・・・・分かった、じゃあ俺に『捨食の魔法』を教えてくれないか?」 「○○?」 「吸血鬼とか蓬莱の薬とか色々あるけど、どうせなるならアリスと同じが良いしさ」 「で、でもいいの?人間じゃなくなるのよ」 「自分で言っておいてそれはないだろう?いいんだよアリスと一緒に生きられるなら」 ただ人間をやめる勇気がなかっただけで俺も口ではどんな事を言っても 心の中で本当は人間をやめアリスと一緒に生きる事を望んでいたのだろう でもこれで決心がついた、たとえ何があろうともアリスと一緒に生きていく事を 7スレ目 678 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「な、なに?」 ○○にいきなり腕をつかまれた、強く、乱暴に 「アリス・・・そこは分量が違う、そっちを入れたんだからそれの分量は半分にしなきゃだめだろ」 「え、あ、ああうん、ごめんなさい」 魔法薬の調合中にいかがわしげふんげふん不謹慎な事を考えてしまった 修行が足りないなぁ 「これで良いのか?設置型遠隔操作型弾幕装置は」 「ええ、これで罠を作れるわね、戦術も広がるわ」 「俺は人形を弾にするのは好きじゃないな」 「どうしてかしら?」 「我が祖国に昔在ったと言われる神風特攻や爆弾三銃士のようではないか」 「なにそれ?」 「深く知る必要は無い、どうしても知りたいならばスキマ妖怪にでも聞けばいいさ」 コイツは私の知らないことを色々と知っている 「ふうん、何でも知ってるのね」 「何でもは知らない、知っていることだけ知っている」 いつものお決まりの台詞、彼から見れば私は無能で無智な子供でしかないのだろう 「さて、一通り終わったろ?」 「あ、あの・・・お茶を、のんで、いかない?」 「うーん、じゃあちょっとゆっくりしていくかな」 アリスに誘われては断れないな、茶菓子は・・・ふむふむ、クッキーですか おお、美味い、美味いなこれ 「ど、どう?美味しい?」 「あ、ああこれ凄く美味いぞ・・・なんだどうした」 「な、なんでもない!」 何だコイツ、いつにも増して、変な・・・ 「もしかしてこれお前が焼いたのか?」 「ななな何でそれをっ!?・・・あ」 「まじかよ、凄いなお前、これならいい嫁さんになれるぜ」 ああ、解りやすいぐらい赤くなっちゃって、可愛らしいったら 「よよよ嫁だなんて!そんな、その、まだそんな」 あー・・・見てる分には面白いけどな、あやしいひかりかちょうおんぱか、アリスは混乱した! 「まぁ相手がいないうちは結婚どころか(ばきゅーん)とか(どぎゅーん)だって、無理だろうけどな」 「ななななな(ぼんっ、ぷしゅー」 あーあオーヴァーヒートしちまった アリスはうぶだなぁ、愛らしい 「はっはっは、アリスはまだ子供だな」 「っ!私は子供じゃ無い!馬鹿にしないでよ」 そうやってすぐに向きになるところが子供なんだって 大人は少なくとも自分の感情をある程度コントロールできるし 「(ばきゅーん)とか(ずぎゅーん)、口にしただけで赤くなっちまう奴が偉そうに、大人ってのはな!物腰は柔らか感情は出さずに、スタイリッシュに振舞う奴のことだっ!」 「わけわかんない!(ばきゅーん)とか(ずぎゅーん)ぐらい私だって!」 「・・・したことあんのかよ?」 「あっ、いやその・・・で、出来る!それぐらい簡単よっ!」 悪い癖、なのかね?この意地っ張りというか、なんというか 「そうか・・・でもなアリス、そういうのは惚れた男の為に取っとけ、本当にコイツになら一生預けて良いと思える位いかした男の為にな」 まぁそんなに莫迦な子じゃ無いからなぁ、むしろ頭はいい、だが硬いんだよなぁ 「○、○○は・・・そういう人はいないの?」 「んーいないんだよなぁ、俺もてないし、知り合いも少ないし」 「・・・私じゃ・・・私じゃだめ?」 うわぁ、コリャやべぇぜ、こんな事言われて、けど俺はコイツの事は好きだけど なんていうか、餓鬼が近所のお姉さんやお兄さんに惚れるようなもんだと、俺は思ってしまう その好意を受け取っていいものか、悩む はたしてそれで良いのか、アリスの一時の感情ではないのか、何か思い違いではないかとか 受け取ることで苦しませたくは無い、俺もコイツと離れたりするのは怖いしいつまでもこんな関係でいければいいなんて思ってしまう ようは失敗が怖いわけだ、アリスに子供だと言ったが、大人になれば失敗が怖くなる あの頃は失敗する為に生きてるんじゃないかって思うぐらい後先考えず行動できた でも今は、深く深く考えてしまう、それがイイコトなのかワルイコトなのか、俺にはわからない 「ねぇ○○・・・私は」 俺は臆病者だ、そして、莫迦だ アリスを強引に、抱き寄せる 「・・・俺でいいんだな?」 「それはコッチの台詞、私で・・・いいの?」 「もちろん、お前じゃなきゃ嫌だ」 「私も、○○じゃなきゃ絶対に嫌だ」 アリスが、少し上を向いて、目を閉じた この状況で俺がすべき事は 壊してしまわぬように、優しく、口付けを 「んっ、んちゅぷぁ、あんっ、んーぷぁっ」 「ぷはっ・・・下向くのも辛いな」 「私だってずっと上向いてなきゃいけないんだから」 「ねぇ○○・・・その・・・(ばきゅーん)とか(ずぎゅーん)とか・・・しなくていいの?」 「あー・・・先の楽しみに取って置こう、うん」 「なにそれ、可笑しいの」 まだ、アリスを壊しそうで怖いと思う 彼女を傷つけそうで、怖い 「○○?」 「なぁアリス・・・もう一回キスしようか」 色々と成長しなきゃいけないのは俺も同じらしい この腕に収まりきれてしまう小さな体の、愛しい女の子を、守っていけるように はぁ・・・課題は多いな うpろだ350 ─────────────────────────────────────────────────────────── 『アリスお前……林檎の皮むき上手かったんだな』 「一応人形作れるくらい手先の器用さには自信あるんだけど……」 彼女は俺が寝てるベッド傍の椅子に座り、しゃりしゃりと器用に林檎の皮をむいている。 『ウサギの形作るのとかもできそうだな』 「できるわよ」 『ハート型とか』 「手間だけど……できるんじゃない?」 『上海の似顔絵型』 「できてもどうせ『勿体無くて食べられない』とか言うでしょ貴方」 『よく分かったな』 「分かるわよ。……はい、どうぞ」 『お、さんきゅ』 アリスといつもの様なとりとめの無い会話をしていたが、その間に彼女は林檎の皮むきも済ませていた。 風邪ひいてここまで手厚く看病されるなんて、ここに来る前じゃ考えられなかったな。 食べやすい様に切り分けられた林檎を幾つか口に入れ、現金な事に少し調子が出てきた気がしてきた俺は アリスに "あの" 時の事を聞いてみる事にした。 『なあ、アリス』 「なに?」 『今日は、泣かないのか?』 「!? ななな何のこと、事かしら??」 ぎょっと目を丸くして、頬をひくひくと引きつらせるアリス。ああ、お前最高のリアクション王だよ。女王か。 『いやさ、お前、俺が床にぶっ倒れてる時に俺ん家来て、そんでそのまま介抱してくれたじゃん あの時さ、しんどくて身体は動かせなかったんだけど……意識はあったんだよなー実は』 「な、だ、だってあの時何度も貴方の事呼んだのに、貴方全然応えなかったじゃない!」 『いやそのまあ、だな、あんなボロボロ泣かれると思わなくて、あそこで応えたら気まずいかなって』 「そ、そこまで空気呼んだんならその話は胸のうちにしまっときなさいよ!」 『いやいやあの時の貴女もう本当に可愛くて、この感動を誰かに伝えたくて』 「こんな時までからかうこと無いでしょ!本当に心配したんだからっ!」 『うんまあ半分は本気でからかったんだが、感動したってのは本当。伝えたかったってのも本当だな』 「え……?」 『普段落ち着いてるお前があんなに取り乱すくらい、お前に想われてるんだな、ってさ。 心配かけてごめん。でもすげー嬉しかった。恥ずいからもう言わないぞ』 おーおー耳まで真っ赤だ。俺もだけど。こういう時のアリスはホント可愛いなあ。 皆さん見てください、これが俺の嫁です。えっへん。 「も、もういいから、そろそろ眠ったほうが良いわ。早く治してよね」 『へいへい、おやすみー』 **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** 「……とまあこの様に、季節を鑑みない春めいたやりとりを繰り広げているワケですが、解説の霧雨さん?」 「解説するぜ」 「アリスさんも魔法使いなんだから、人間の風邪に効果のある魔法とかあるんじゃないでしょうかね?」 「ブン屋よ、覚えときな」 「はい」 「時には魔法を使わないことが、魔法を生み出す事に繋がる事もあるんだぜ」 「意味は分かったんですが、その『今私ちょっと良いコト言ったぜ』的なオーラはしまって下さい」 「惚れてもいいぜ」 「惚れません!」 **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** うpろだ384 ─────────────────────────────────────────────────────────── -人形遣いと機械人形遣い- ティウン ティウン ティウン ティウン……!! 「く……くそっ…!!」 周囲には、役目を果たさなくなった金属の破片や機械部品が散乱していた。 そして、俺の目の前には人形をしもべとする少女がいる。 「ふふふ……無様ね」 人形遣いの少女は、俺に嘲笑のこもった言葉を投げかけて―――― 「これで、私の勝ちね ―――― 罰ゲーム決定よ!」 ――――俺を指差し勝ち誇った。 「だーくそ! なんで勝てねぇんだチクショウ……!」 「あなたの機械人形が弱すぎるのよ」 「く……っ!」 ……俺が何故アリスと決闘をやっているのかって? アリスが、半人半霊の剣士と、俺と同じく外の世界から来た白玉楼の軍師との試合に触発されて―――― 「ね、ねえ……あなた機械人形を作るのが得意なんでしょう? だったら、私と勝負しない?」 「え?」 「どっちが最高の人形遣いかはっきりさせておきたいのよ……拒否は認めないわ」 「フ、挑まれた勝負は逃げるわけにはいかないな……いいだろう!」 「あ、そうそう……妖夢と●●の決闘のように、勝者は敗者の命令を一つ聞くこと――――いいわね?」 「は?」 という経緯により、アリスと俺も 負けたほうが言うことを何でもひとつ聞く罰ゲーム付きの決闘を始めたわけだ。 そして、それからアリスとの決闘は通算100敗目…… 俺は彼女に一回も勝ったことがない。 「はぁ……妖夢と●●のようにはいかないわねぇ……」 「は?」 「な、なんでもないわよっ!!」 プイと後ろを向くアリス。 そして、彼女は俺に顔を見せないまま―――― 「ま、いいわ……それで、今度の罰ゲームは……」 「おう、煮るなり焼くなり好きにせいや」 「そ、そうね……私と……その……」 「?」 「デ……デー…」 「大丈夫か? なんか、耳はおろか首筋まで赤いぞ?」 「~~~~~!!!! デ、デ、『デヴィリーライトレイ』――――ッッ!!」 大量の人形がレーザーを地上に照射して 「―――― え?」 そしてその地点から爆発が生じる。 「ギャアアアアアアア!!」 俺はまた、吹き飛ばされた。 「で……≪ 私とデヴィリーライトレイ ≫ ってなんだよ? つーかそれ喰らうの5回目だぞ」 「う…うるさいわね! 今日の罰ゲームは今ので終わり! 次の勝負は10日後にここでやるわよ!! 遅れないでよね!! 」 と言い捨ててアリスは走り去ってしまった。 「……な、なんだったんだ?」 ・ ・ ・ ちなみにアリスは家に帰るなり バスン! ボスン!! バスン!!! クッションを両手でつかんで床にたたきつけながら―――― 「あーもう、私のバカバカバカぁぁ!! どうして、『私とデートして』の一言が言えないのよぉぉ……!!」 ……激しく後悔していた。 ・ ・ ・ 一方―――― 家に戻った俺は、今日戦ったときに収集したアリスの戦闘データを解析していた。 自作の発電機によって電気を供給し、パソコンのキーボードをパチパチ打ちながら、ニヤニヤ笑っている。 端から見たら恐ろしく不気味であろう。 「くくく……いつまでも負けっぱなしだと思うなよ、アリス」 アリスとの100回もの戦闘で、データ収集はこれで完了。 例のやつの思考プログラムと戦術プログラムも完成した。 後はボディの作成だけだ…… 「次は、お前を完璧に負かしてやるぜ……!」 俺の得意とするのは機械人形作成――――所謂、ロボット作りだ。 実際、元の世界ではさまざまなロボット大会に出て何回も優勝したこともある。 だが……アリスと渡り合うには、科学の力だけで作られた機械人形ではどうにもならない。 基本的にロボットはそこまで力が強いわけでもなく、強い衝撃を受けるだけで壊れてしまうし、それほど動きが速いわけでもない。 その戦闘力は、アリスの人形の足元にも及ばないだろう。 しかし、この幻想郷には魔法がある。 そして、その魔法の理論体系も粗方理解し、実践できるようになった。 材料も香霖堂で使えそうなのを買ってきたし…… あとは魔法と科学を融合させ 最高傑作と呼べる自動機械人形を造るのみ―――― 3日後―――― 「うーん、やっぱミサイルは外せないよなぁ……」 6日後―――― 「合体変形機能は漢の夢だよな……でも、さすがにまだムリだよなぁ……」 9日後―――― 「時間ねぇー!! つーか、間に合わねぇよコレ!」 10日後―――― そして、俺は勝負の舞台に立つ。 「……待たせたな、アリス」 結局、作成は間に合わなかった。 残る作業は充電だけで、終わり次第こっちに来るようにプログラムしておいたが…… それでもあと何十分かはかかる。 とにかくアレが来るまでは時間を稼がなくてはどうにもならない。 ……別に仮病使って休んでもいいのだが、休むとアリスが 「なんで休むのよ! 楽しみにしてたのに!!」 ――――と、烈火のごとく怒るんだ。 「それじゃ101回目の勝負……いくわよ!!」 「ちょっ、ま……そんな早す――――」 数分後―――― 「ッぐぁ!!」 必死で時間稼ぎをするものの、防戦すらままならない。 アレを作ることに気を取られて 手持ちの機械人形はろくにメンテもしてなかったため 自慢の機械人形はロクに動かないまま、次々とアリスの人形に撃破されてしまう。 「……呆れた、いつもよりも輪をかけてお話にならないわね……」 「ぬうう……」 「そろそろトドメ、行くわよ……」 その時 ゴォォォォォォォ…… 空から轟音が聞こえてきた。 「な、なに? この音……?」 「来たか――――」 「え?」 「予想より早かったが、それでもギリギリセーフってとこか……待ってたぞ ――――」 ゴオオオオオオ―――― 空からの轟音が大きくなって―――― 「――――“フルメタルアリス”!!」 ―――― ガシャコン……ッ! ○○と、アリスの間に、鋼鉄の少女が降り立った。 「( ^ ▽^)ノ マスター、オハヨウ~♪ 」 そのまま、可愛らしく俺に挨拶をする。 空を飛んでアリスの目の前に立った○○の切り札は―――― 「な……私?」 ――――アリスと、大きさまでもがそっくりに作られた機械人形だった。 「( ^ ▽^)ノ コンニチハ、オリジナルー♪ 」 アリスそっくりな機械人形は左手を上げて、アリスにも挨拶をした。 「なななななな…何なのよソレ――――!?」 何なのよ、この私そっくりな機械人形は!? なんで私にそっくりなの!? 顔もそっくり……いや、ちょっとだけ機械チックだけれど 服も堅そうな金属でできてるし って、そうじゃなくて―――― 「な、なんで、わたしそkk――――」 「これがオレの可愛い“フルメタルアリス”だ!! ワハハハハハハハ!!」 アリスの動揺と言葉を遮って、○○は勝ち誇る。この上なく勝ち誇る。 右腕を天にかざし、高らかに勝ち誇る。 ああ……楽しい。 切り札を見せるこの瞬間のドキドキといったらもう! マジ、テンションあがるわコレ! 「 (////⊿//) カ、“可愛イ”ッテー…」 「…………」 「 (//// _ //) アリガトウ…♪」 その女の子らしい もじもじ した仕草と、素直な心に少しドキッとさせられる。 「素直で可愛い……そんなお前を俺は気に入っているぞ! メカアリス!」 「( //// ▽//) ♪~」 当然、アリスはイチャイチャしている○○とメカアリスの姿が面白くない。 「 ち ょ っ と 、 い い か し ら …… ○ ○ っ !!」 「 ア … ア リ ス 、コ ワ イ ー ……」 獰猛な殺気を露にするアリスと、その姿に怯える人形たち。 しかし―――― 「フハハハハハハァァ――――! すごいぞッ! かっこいいぞォォォッ!!」 「いや聴きなさいよ人の話!!」 「さあ……ここからが俺とメカアリスの踏み出すロード! それが勝利への未来となるのだァァ!」 「いやだから、人の話を――――」 アリスは頭を抱えた。 (ああもう、そうだった……こいつ切り札を出す時には、なぜかハイテンションになって こんなになるんだった……) 今の○○の姿を一言で言うなら……誇大妄想狂だろうか? 「さあ、メカアリスよ! 我が永遠の宿敵 ―――― アリスを倒すのだァァ!!」 「( ^ o^)ゞ リョウカイー!」 メカアリスがアリスの眼前に立ちふさがる。 「 o( - _-)=O=O オリジナル……覚悟ー!」 「ああもう、本当に気に入らないっ! 粉々にしてあげるわ!!」 不機嫌そうにアリスは吐き捨てて、人形を自分の周囲に展開させる。 「〟〝 〟〝\( ^ ー^)ノ 〟〝 〟〝 ファンネルー!」 「!?」 鋼鉄のスカートの中から何体もの小型の機械人形が現れる。 それは、アリスの人形たちと酷似していた。 違いは、機械であるかそうでないかだけ―――― 「これがメカアリスの『ドールファンネル』だ!! ワハハハハハハ!!」 ○○のバカ笑いと同時に、小型の機械人形がめちゃくちゃな軌道を描きながらアリスに襲いかかる。 「……っ! 戦操『ドールズウォー』!!」 アリスは周囲に展開させた人形で、向かってくる機械人形をすべて迎撃し地に叩き落す。 そのまま、人形たちに弾幕を張らせてメカアリスに攻撃しようとしたが―――― 「(((((( \( ^ _ ゜)/ )))))) バリアー!!」 ガキィィィンン!! 「な――――!?」 人形たちの弾幕が全てメカアリスが展開した見えない防壁に阻まれた。 さすがのアリスも驚きの声を隠せない。 アリスノ ツンデレ 「これがメカアリスの『 A T フィールド』だァァ!! ワハハハハハハァー!! 俺以外のすべてに“ツン”とした無敵防壁を張り、俺にだけは“デレ”っとしt」 「―――― ああもう、うるさいわよっ!!」 耳障りなバカ笑いと解説に毒づく。 「……ッ!? こ、これは――――」 アリスはメカアリスのスカートの中から五寸釘型のミサイルが発射されていることに気づく。 ミサイルはそのまま弾頭をアリスの方向に向け、停止したままだ。 その時点になって、アリスはメカアリスの作戦に気づいた。 だが、気付くのがあまりにも遅すぎた。 五寸釘の形をしたミサイルに周囲を完全に囲まれてしまっている。 戦闘中に、アリスに気づかれないように鋼鉄のスカートの中からミサイルを発射し……配置していたのだ。 ……アリスを取り囲むように。 「これがメカアリスの『ごっすんミサイル360度全方位収束一斉掃射』だァァァァ――――!! ワハハハハハハァァァ――――――ッ!!」 そして、何発ものごっすんミサイルが―――― 「しまっ――――」 ―――― アリスの360度全方位から、襲いかかった 「きゃああああああっ!!」 辛うじて、人形で防御するが 膨大な数のミサイルはとうてい防御しきれるものではなく―――― 爆風に吹き飛ばされ、アリスはそのまま気を失ってしまった。 完全に動けなくなったアリスを確認し、○○とメカアリスは勝ち誇る。 「フハハハハハハァァァァ――――――ッ! 粉砕! 玉砕ィ! 大喝采ィィ!!」 「o( ^-^)o ヤッタァー!」 溢れ出る喜びのままに、勝ち誇る。 「よくやった! さすがは、我が自慢の娘だ!! フハハハハハハハッ!! ワ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! ! ! ――――って、いや笑ってる場合じゃなくて、大丈夫かアリス?」 戦闘終わったし、いい加減テンション上げすぎるのも疲れてきた。 バカ笑いしてるのも飽きたし、何より笑ってる場合じゃない。 一応メカアリスの武装は、死なない程度に殺傷力を落としたモノを使ってはいるが それでも、全方位からミサイルを浴びて無事で済むとも思えない。 「う…うう……」 アリスを抱き起こし、その身体をざっと見回す。 目立った外傷もない。 「ぅぅ……いたた……え?」 「大丈夫か?」 「―――― ○○?」 次第に、アリスの目の焦点が合ってきて―――― 「――――ッ!?」 アリスは状況を確認し、なぜか一瞬で頬が真っ赤に染まる。 「きゃあああああああっ! ドコ触ってるのよっ!!」 パァァァンッ!! 派手な音とともに俺の頬が張られ、さらに突き飛ばされて尻餅をついてしまった。 「……無事みたいだな」 OK、これだけ強力な平手打ちできるなら問題ない。 まあ、アリスの目が覚めたところで早速勝ち誇らせてもらうか! 「今回は、俺の勝ちだな、アリス!」 「くっ……なんなのよ、その私そっくりな機械人形は! し、しかも言うに事欠いて、私そっくりな姿で、ス……スカートの中からミサイルや人形を射出するなんてっ!! なんてことするのよ、スケベ!!」 「何を言うかバカ者ぉぉ! 乙女のスカートの中には、愛と勇気と、未来への希望が詰まっているのだッ!! 故にメカアリスの全武装はすべてスカートの中から射出するようにしt」 「バ……ババババババカぁぁ―――――!!」 「痛ぇ!」 スカート談議に花を咲かせ痴話喧嘩を始める二人。 そこにメカアリスが―――― 「(ノシ /// ▽//)ノシ マスタ~♪」 ○○に抱きついてきた。 「うおっと! どーしたよ、メカアリス?」 「(ノ /// ▽//)ノ マスター、大好キー……」 ところで↓の場面を想像してみてくれ。 いつもツンケンしているアリスと同じ顔が「(ノシ /// ▽//)ノシ ○○ー、大好き♪」 と頬を赤く染めて抱きついて、甘えてくる姿。 こいつをどう思う? 「よしよし、可愛いな、メカアリスは~♪」 「――――っ」 それを見ていたアリスは、一瞬だけ泣きそうな顔になって―――― 「……お、覚えてなさいよっ!!」 ベタなセリフを残し、走り去っていった。 ・ ・ ・ 「うう――――」 バタン! 家に帰るなり鍵も閉めずに、近くにあったクッションを引っ掴んでその場にへたり込んだ。 涙を流しながら、クッションを両手に持ったまま床に何度も叩きつける。 それでも気は晴れない。 バスン! ボスン!! バスン!!! 「○○のバカ! バカっ! バカぁっ! 」 くやしい! くやしい!! くやしいっ!!! 「あんな……あんな機械人形なんかに――――」 ○○に、負けたことなんて もうどうでもいい。 あの男は、いつかは私を超えてさらなる高みへと進んでいく男だということを信じていたから。 涙を流すほどに、屈辱的で悲しかったのは あの男は、私がいながら―――― 「よりによって……あんな機械人形なんかを選ぶなんて――――!!」 ――――よりにもよって私そっくりの偽物をつくって、そっちを選んだ。 「どうして……?」 あの時、イチャイチャしていた2人を見て感じたのは胸が引き裂かれそうな嫉妬と悲しみ。 「どうして、私じゃなくて……私の偽物なんかで満足するのよぉ…… しかも、私の性格とは180度違う……素直で天真爛漫で女の子らしくて人懐っこい性格で……」 本物の私は、意地っ張りで素直じゃないけれど、あなたのコトがこんなにも大好きなのに…… あなたは、やっぱりああいう女の子のほうが――――? 「 ア リ ス … ゲ ン キ ダ シ テ ー ……」 「上海………」 「 ア リ ス ー ……」 「蓬莱………」 「 ア リ ス 、 フ ァ イ ト ヨ ー !!」 「うう……」 人形に元気づけられ、改めて自分と○○の関係を考え直してみる。 あの私の偽物は生み出されたばっかりで、まだ○○との付き合いも浅い。 だけど、私には2年前から、あいつと過ごしてきたというアドバンテージがある。 ……しかし 「考えてみれば……あの男、今あの偽物とイチャイチャやっているのよね……」 「 ア リ ス ー ……?」 そして、これからはあの男と偽物が一緒にいる時間はどんどん増えていくのだろう。 時間が経てば経つほど状況はどんどん不利になる…… 「――――っ!!」 こんなことしてる場合じゃないわ―――― 「 ア リ ス ー 、ド ウ シ タ ノ ー !?」 クローゼットを全開にし、大きなバッグを取り出す。 そして、クローゼットの中にある服や、洗面器具などの生活必需品を手当たり次第、大きなバッグの中に詰めていく。 「あいつの家に押しかけるの!! ○○は誰にも渡さないんだから!!」 10分後―――― 「……おう、いらっしゃい! どーしたよ、アリス?」 「え、えーと……そ、そうそう! あなた罰ゲーム忘れてるでしょ?」 「あ、そーいえば……いや、つーかその荷物は?」 「あ……あなたのことだから、しばらく長く続く罰ゲームを命令されると思ったのよ」 「罰ゲームの期間って1日だけじゃなかったか?」 「う、うるさいわね!! あなたにお情けをあげるの! 私に初めて勝ったあなたに、お情けで数日の間 罰ゲームに付き合ってあげようと思っただけよ!! い、言うこと聞いてあげようじゃない! 食事を作るとか……なんでも御座れよっ!」 「ん~、そりゃ嬉しいが……実は食事は――――」 その時、家の奥から機械人形の声が響く。 「 (ノシ ^▽)ノシ マスター、食事ノ準備デキター」 「……つーわけだ。すまねぇ、もう作っちまってたんだよ……よければ、喰って行くか?」 「な、なに言ってるの!? あんな機械人形の作ったものなんて――――」 きゅう~…… 「あ………」 可愛らしい音を立てて、アリスのお腹が鳴った。 「…………」 「…………(//// ⊿//)」 「…………」 「…………ッッッ!」 「ぼ、暴力反対……」 「バカぁぁ―――――――――――――ッ!!!」 「――――――!?!?!?」 悲鳴を上げることすらも許されずに、俺はアリスの鉄拳によって吹き飛ばされた。 俺は、彼女が意外に武闘派だという一面を薄れゆく意識の中で………ゲハッ ・ ・ ・ 結局、私は機械人形の作った食事を食べることにした。 それにしても、あんなところでお腹が鳴るなんて…… ああもう、恥ずかしい……顔から火が出そう 未だに自分の頬が赤く染まっていることがわかる。 「い、いただきます……」 「( ^ ▽^)ノ 召シアガレー、オリジナルー♪」 そして、機械人形の作ったカレーライスを一口食べる。 そのとたん、抱いていた羞恥心が消し飛ぶ。 文字通り言葉を無くした。 「う、嘘っ…美味しい……!」 信じられないくらいに美味しいのだ。 「だろ? さっき、メカアリスに紅魔館のコックや、白玉楼の板前の調理スキルデータをインストールしたんだ。 ……他にも、スキルデータをインストールしていけば、さらにメカアリスは完璧になっていくぜ」 正直、これ以上にうまく作ることなんて……できそうにない。 ああ……こんなことなら、もっとお料理の勉強しておけばよかった…… ……勉強しても、調理スキルのデータを注入するだけでレベルアップできる様な反則機械人形には全く勝てる気がしないけれど。 そんなこんなで食事も終わる。 「まあ、あれだ……罰ゲームについては考えておくよ。 あと、よくわからんが 今日は泊まっていくんだろ? 先に風呂入りな」 「ううん……私が押し掛けてきたんだから先に入って。」 「そっか……じゃあ、風呂入ってくるから適当にくつろいでてくれ」 「うん……」 浴場に入る○○を視線だけで見送り。 私は、ため息をつく。 完膚なきなまでに、あの機械人形に対して敗北感を味わっていた。 悔しいけれど、勝てない。 「……何か、ないかしら」 あの機械人形にはできなくて、私にはできること。 「……あるわけない…か」 大体、データ注入するだけで強くなれる相手にどう勝てばいいのだろう。 重い気持ちを抱いたまま、何気なくソファの上を見ると…… 「ん?」 書きかけのノートのようなものがあった。 「なに……これ?」 ノートを手に取り、開いてみる。 これ、メカアリスの作成日誌? 少し興味も駆られてパラパラと流し呼む。 その中に、一つだけ目を引く文章があった。 ≪―――― 耐水防護に課題が残る ――――≫ つまり、あの機械人形は水に弱いって言うことで…… ―――― こ れ よ こ れ し か な い わ ! ! 自分の勝利を確信し、アリスは思わず叫んでいた。 ・ ・ ・ 「ふー、いい湯だねぇ……」 俺は風呂につかりながら、本日の歴史的大勝利を噛み締めていた。 そして、アリスの言った「罰ゲーム」を思い出す。 正直、ついさっきアリスに言われるまで忘れていたものの どんな罰ゲームで、これまで受けた屈辱の溜飲を下げようか今から楽しみだ。 「罰ゲームかぁ……『今ここでアリスに背中を流してもらう』なんてのも良かったかなぁ……ハハ」 あのアリスが羞恥に頬を染めながら、俺の背中を流すシチュエーションはきっと殺人的な享楽だろう。 「そ、そう……じゃあ、失礼するわよ」 「おう、入れ入れー……は?」 振り返るとそこには、バスタオルを胸に巻きつけ、そのほかは何一つ纏わないアリスが立っていた。 バスタオルの端から見える膨らみかけの柔らかそうな胸。 やや内股気味なすらっとした滑らかな脚。 紅く染まる頬に、羞恥に潤んだ瞳。 裸の俺に視線をまっすぐ向けられず、俺と余所を交互にチラチラ見ている仕草が殺人的に可愛い。 「そ、そんなにジロジロと見ないで…!! 恥ずかしいじゃない……」 なんだ、これは……夢か? 「わ、私は今日負けたから、あなたの背中流してあげるの!! か、勘違いしないでよね! あくまで、罰ゲームだからやってるのよ!!」 「いや、罰ゲームって普通俺が決めるんじゃ――――いやなんでもありません」 アリスに進言しようとしたが、妙な気炎を上げる彼女に水を差すと また殴られそうだったので黙っていることにした。 何より、これはこれでイイ。 「ほ、ほら…背中向けて」 「あ、ああ……」 アリスが俺の背中を石鹸をたっぷりつけたタオルで洗い始める。 力があまり込められておらず、どことなく洗い方がたどたどしくて……少しくすぐったい。 この慣れていないっぽさ っていったらもう……! 「ど、どう…? こんなこと、偽物にはできないでしょう……?」 「ま、まあ……あいつは防水加工してないからな…… ……てか、どうしたんだ、アリス? やけにメカアリスに対抗意識燃やして――――」 言いながら、背後を振りむこうとしたら、アリスに両手で頭をつかまれた。 「う、後ろを見ないで」 そして、泣きそうな声で彼女は続ける。 「は、恥ずかしいんだからぁ……!」 「わ、悪い……」 アリスの声は羞恥により僅かに裏返っているし 背中をタオルで擦る手は震えていた。 本当に緊張しているようだ。 ……ち、ちくしょう なんなんだ、何がどうなってるんだ。 今日のアリス……可愛すぎる。 「…………」 「…………」 正直、互いが互いを意識してしまって それでも、アリスはたどたどしい手つきで 汚れが洗い流した。 「あなたの背中、大きいわね……」 「え? あの…アリス?」 両手が俺の肩にかけられ、彼女の頭が軽く俺の背中に当てられる。 「……それにすごく温かい……」 ヤバい。 コレはグッと来た。 つーかこれはヤバい。 俺は彼女を襲ってしまいそうでヤバいし。 彼女は俺の背中になんかウットリしてヤバいし。 誰か……誰か、俺と彼女を止めてくれ! 「( ^ ▽^)ノ マスター!」 ガラガラガラガラガラ!! 「∑( ○ _ ○)ノ ……!」 風呂場の扉を開いてメカアリスが入ってきた。 瞬時に、メカアリスは硬直し赤面 一方、乙女アリスは 「……ッ、あなた……!」 殺人アリスへと変身する ……殺意の対象は人ではないけれど。 「(ノシ //// Д///)ノシ ァゥゥ…オリジナル、大胆スギルヨォ…」 「あ……あなた……」 「ε=( //// Д///)≡З プシュー……(エラー中)……」 「……?」 「(あまりの事態に)エラー中みたいだな、少し待ってあげてくれ」 そして、10秒ほど経つ 「( ^ ▽^)ノ ……(エラー修復完了)……復活ー♪」 「あなた、なにしに入ってきたのよ……!」 「( ° -^)b ア、ソウダッター……マスター マスター」 「どーした?」 いきなり入ってきたとはいえ、別にメカアリスは一緒に風呂に入りにきたわけではない。 大方、食事の後にセットした自動改造プログラムが終わったことを報告しに来ただけなのだろう。 「( ^ ▽ )ノ 防水改造 終オワッタヨー」 ・ ・ ・ ……え? 頭をガツンと殴られたような衝撃がアリスを襲った。 防水改造が終わったって言うことは、水が大丈夫になったと言うことで…… ただ一つあったはずのアドバンテージすらも完膚なきなまでに打ち崩された。 どうやっても、なにをやっても……私はこの機械人形には勝てない。 「…………」 ねぇ……○○ じゃあ……私は……もうイラナイの? この子に、防水改造をして一緒にお風呂に入るつもりだったの? あなたは……私のこと、なんとも思ってないの? 「ごめん、私…もう帰るわ……」 これ以上いたら、泣いてしまう。 ・ ・ ・ 「アリス?」 「……っ」 「ちょ、おい! アリス!?」 そのままアリスは風呂から走り去って行ってしまった。 俺も、急ぎ風呂から上がるが……そこには、アリスはいない。 彼女が持ってきた大きな鞄も無くなっている。 「……あいつ、泣いてた………」 急ぎ、濡れた身体のまま、服を身につけ、靴を履く。 「( ・_・) ……マスター、ドコ 行クノー…?」 「すまねぇメカアリス、留守番を頼む! ちょっとアリスを探してくる!!」 「( σ _σ) ………」 「くそ…見つかりゃしない……」 突然出て行ってしまったアリスを探し、俺はひたすら走り回っていた。 アリスの家、魔理沙の家、博麗神社、紅魔館の図書館、香霖堂…… 彼女の行きそうなところは、すべて探しまわったがどこにも彼女はいない。 探し始めたときはまだ頭上で輝いていた太陽も、すでに沈み切り、周囲には妖魔が徘徊する気配が漂っていた。 「やべぇな……さすがに戻らねぇとマズイか?」 メカアリスについて来てもらったほうが良かったかもしれない、と考えたその時…… ゴォォォォオオオオオオ―――― 周囲に轟音が響き 「ε=⊂( ^ o^)⊃ マスタ~」 続いて、能天気そうな声が聞こえた。 ガシャコンッ!! メカアリスが俺の目の前に着陸する。 プシュー…! 着地と同時にメカアリスは機体内の排気と熱を放出。 俺は彼女に歩み寄る。 帰りが遅い俺を心配して迎えに来てくれたのだろうか? 「( ・ _・)ノシ マスター、マスター」 「どーした? メカアリス?」 「( ・ _・)ノ□ コレガ、ポストニー」 メカアリスから一通の手紙を手渡された。 簡素な無地の封筒には、アリス=マーガトロイドと記されている。 急いで封を開け、中の手紙を見ると……これまた無地の便箋が そして、その便箋にはたった2行の文章が奇麗な文体で書き記されていた。 ≪ ―――― 10日後の正午に、私の家の前にて待つわ……最後の決着をつけるわよ ―――― ―――― アリス=マーガトロイド ―――― ≫ 「アリスからの『決闘状』…?」 でも、最後ってどういうことだ……? 「( ・ _・)ノシ マスター、マスター」 「ん?」 「( ・ o・)ノ 今日ハ、モウ戻ッタ方ガイイト思ウ―」 メカアリスに言われて、周囲を見回してみる。 確かに……これ以上探索するとこっちが危ない。 いくらメカアリスがいるとはいえ、アリスと戦ったときに以降、彼女には武器の補充をしてない。 下手をすれば、メカアリスともどもやられる可能性がある。 「そうだな……明日、また探すか」 「( ^ _^)ノ ウン!」 そして、暗い森の中を一緒に歩いて帰る。 「……にしても、決闘状に届けにきたってことは 行き違いになっちまってたのか? 」 「( σ _σ) ……」 「アリスのやつ……どーしちまったんだろうな……」 「( σ _σ) 私ジャ ダメナノカナー……」 「何か言ったか? メカアリス」 「( ° ▽ °; ナ、ナンデモナイー」 ・ ・ ・ そして……10日後の正午―――― アリスの家の前に、俺とメカアリスはいた。 「……お待たせ、○○」 「……? どうしたんだ? やけに顔色悪いぞ?」 「……ちょっとね、でも大丈夫よ」 「ったく……あれから、ここ10日間必死で探したってのに全く見つかんないし ……何やってたんだよ、お前?」 「……別に、私が何をしようとあなたには関係ないでしょう?」 ……? なんだろう……今日のアリス、妙に冷たい。 「だいたい、最後の決着ってなんだよ? 俺はまだ、お前に一回しか勝ってないってのに」 「言葉どおりよ。今日で決闘は終わり……もう、あなたの代わりがいるから、あなたとの勝負もおしまい」 「……なんだって?」 「見るがいいわ……ここ10日間で作り上げた 私の最高傑作……」 アリスが片手を高く掲げ―――― 「出てきなさい ――――!!」 ――――その呼び声とともに森の木陰から、影が飛びだす。 「――――!?」 「( °_ °) ……!?」 現われたのは白馬人形に跨った一体の人形。 背丈は俺と同じくらいだろうか? 腰には、一振りの剣を携えているおり、背にはマントが その人形の姿を見て、メカアリスと俺は息を飲む。 「呼ンダカ、マスター?」 その人形は白馬人形からひらりと舞い降りアリスのすぐ横に立つ。 「は……?」 「∑( ○ o ○) ……!」 それは…… 「初メマシテ。オリジナルと、メカマスター」 俺とそっくりな顔をした人形だった。 ・ ・ ・ 「紹介するわ……これが○○人形。 私の、新しいパートナーよ」 完全自律人形とまではいかなかったけれど それでも、その自律性は他の人形とは比べ物にならない。 「あなたなんかより、何倍も 強くて 優しいの」 「………」 「( ○ o ○) ………」 ○○とメカアリスは言葉も出せないようだ。 ふふん……あまりの事態に言葉もないようね、○○。 ○○人形さえいれば、もうあなたなんて―――― 「白馬の王子様を待つお姫様に、憧れていたのかッッ!?」 盛大にコケる。 この反応は、文字通り想像の斜め上だった。 いや、驚く所はそこじゃないでしょ!! 「…う、うるさいわねっ! いいでしょそんなことっ!!」 しかも、何気に……そ、その核心突いてくるし! 確かに白馬の王子様にちょっとは……ほんのちょっとだけ憧れたりもしてるし その王子様が、○○だったらとか…… ああああ、もう、私何考えてるんだろう! せっかく、○○人形を作って○○のこと吹っ切ったつもりなのに…… 「\( ^ ▽^)ノ ナカマー!」 「ヨロシク頼ムナ、メカマスター」 しかも、○○人形と機械人形は 「って、そこ! 何、敵と交流を深めてるのよ!!」 「フフ……怒ラナイ 怒ラナイ。イイジャナイカ 挨拶クライ」 穏やかな物腰で、やんわりと私に 「あっ……」 私を抱き寄せる 「○○人形……」 「愛シテイルヨ、マスター」 安心させてくれる。 どうしようもないくらい鈍感な○○よりも…… まるで○○のように。 ……ああもう! どうして最後まで○○のことが頭から離れないのよ私ってば! 「今日は私は動かない……人形だけの勝負よ……」 「だそうだ……メカアリス、いいか?」 「\( ^ ▽^)ノ ウン!」 メカアリスはドールファンネルを展開させ 「〟〝 〟〝\( ^ ー )ノ〟〝 〟〝 負ケナイヨー!」 ○○人形は腰に携えていた剣を鞘からスラリと抜き構える。 「ソレハ、コチラの台詞ダ」 メカアリス VS ○○人形 ―――― ―――― o( ° ー )=○|==≫ ☆〟〝 〟〝 ○(*σ 。σ)o ―――― ―――― 戦闘開始!! うpろだ386・389・393・413 ─────────────────────────────────────────────────────────── 一行告白 アリス、君の寿命と比べたら短いけれど。俺の命を、君の人生にささげさせてくれないか!? 一行返答 要らない。帰れ 7スレ目 759 ─────────────────────────────────────────────────────────── お前は孤独じゃない。だって俺がいる。 7スレ目 828 ───────────────────────────────────────────────────────────
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Gメンのクエスト進捗を管理するページです。 G狩の編成決めに活用しましょう。 ねこ無双 テンプレ【簡易版(G狩でよく行くところ)】 [●=入場可能] [×=入場不可] アカウント ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ 職業 珍 BASE 99 生体工学研究所 ● フレイヤ大神殿聖域 × 名も無き島 夜 次元の狭間 03 異世界フィールド イグドラシル中心部 テンプレ【通常版】 [●=入場可能] [×=入場不可] アカウント ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♀ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ 職業 珍 BASE 99 プロンテラ地下水路 ● タートルアイランド × アマツダンジョン アユタヤダンジョン モスコビアダンジョン ブラジリスダンジョン クラカト火山 ゲフェニア 生体工学研究所 タナトスタワー下層部 03 機械人形工場 フレイヤ大神殿聖域 名も無き島 夜 次元の狭間 03 異世界フィールド イグドラシル中心部 カミダトンネル スカラバホール スカラバガーデン
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ガンバラナイト 効果モンスター 星4/光属性/戦士族/攻 0/守1800 フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードが攻撃対象に選択された時、 このカードの表示形式を守備表示にできる。 ナイト 下級モンスター 光属性 戦士族
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基地ステータス(随時更新) 裕福Lv. 裕福度経験値 最終更新日 Lv.3 540pt 2018年05月25日 (金) 23時29分51秒
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基本ルール ハウスルール スキル一覧 追加ルール 本質の花 ゼロ・セヴン 遠距離攻撃 アーセルトレイ 第7層 第8層 第9層 第10層 歴代ステラナイト 第一回かしわもち女子会 第二回かしわもち女子会 第三回かしわもち女子会 第四回かしわもち女子会 第五回かしわもち女子会 第六回オルトリヴート1 IF・パロ 関連サイト キャラクターシート 布教用PDF ここを編集
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No 名前 ★ コスト 属性 タイプ 限界突破 HP アタック ガード 0013 ドンメラナイト ★☆☆☆☆ 2 火 ナイト - 45 5 4 スキル Lv:-- 火の力★1 火属性メンバーの攻撃力+20% Lv:10 火の力★2 火属性メンバーの攻撃力+25% 火のついたどんぐりみたいなヘルメットって言わないでください!